2018年の12月には2019年の納涼花火大会中止が早々に決まりました。
しかも、2019年以降の開催は不透明、もしたしたら半永久的に休止かもという見通し付きです。
あまりにも早い中止決定に市民、県民は唖然としてしまいました。
一体何があったのでしょうか。
その後の報道や地元の噂からいくつかの裏事情が見えてきました。
簡単に言えば
(1)警備上の理由
(2)協賛金不足
(3)責任回避
です。
ではひとつずつ見ていきましょう。
警備上の理由
「安全に運営するための警備体制構築が難しい」
大会事務局の岡山商工会議所が中止を発表した際の第一の理由です。
2018年は確かに7月の大雨災害の影響で、夏に予定されていた納涼花火大会どころではありませんでした。
被災地では亡くなった方もおられて、お祭り騒ぎをしている場合ではないという「自粛」ムードに加えて、実際、警備員が確保できないという事情がありました。
多くの民間警備会社の警備員は真備町をはじめとした被災地に詰めていたのでした。
そのうえ、全国的に警備の問題が取り上げられている時期でもありました。
兵庫県明石市で2001年、大勢の花火見物客が歩道橋上で折り重なって転倒し11人が亡くなるという事故がありました。
その後も13年に京都府福知山市で3人が死亡する露店爆発などの重大事故が相次ぎましたね。
最近では警察や消防が主催者に安全体制強化を強く求めるようになりました。
大会事務局では当局の要請に応えるだけの体制が組めるかどうか不安に思っていたようです。
協賛金が集まらない
もうひとつはお金の問題ですね。
会場設営費と、警備費(人件費)は17年実績で計2115万円と、大会関連経費3850万円の55%を占めるまでに膨らんだそうです。
商工会議所は
「企業から協賛金を集めるのにも四苦八苦。これ以上、警備関連経費に充てることもできない」と厳しい財政事情を語っています。
なお花火打ち上げに要したのは1017万円(26%)で、こちらは毎年ほぼ横ばいを続けていたそうです。
協賛金不足はずっと以前から問題になっていたようです。
とくにここ10年~15年くらいは景気が悪く県内企業も1円の無駄遣いもしたくないというマインドがありましたから、協賛金の集まりも芳しくなかったようです。
責任を被りたくない
警備上の問題やらお金の問題やらで主催者側のモチベーションが維持できないという事情もあるようです。
■「責任問われる」
「中止撤回を求める市民の声があるのは承知しているが…」。
商工会議所は、苦しい胸のうちを明かしています。
「もし何らかの事故が起きれば、会議所の責任が問われる。安全安心を確保できないまま大会を開催することはできない。」
安全安心を確保するためには潤沢なお金が必要ですが、協賛金が集まらないわけですからこれでは主催者としても力が入りません。
いっそのことやめてしまおうかと・・・
という結論に至ったのも理解できないではありません。
しかし、やはり寂しいですね。
真夏にあの賑やかな花火が見られないのは・・・
次世代にも残したい岡山の風物詩でもあります。
なんとかならないものでしょうか。