ドローンが被災地真備町を飛ぶ!UAV測量の基礎知識!

2018年7月の西日本豪雨災害で人知れず活躍した技術があります。
それはドローンです。

実は豪雨災害の翌日、被災地岡山県真備町の空をドローンが飛んでいました。

ドローンにはいろいろな可能性があります。

ここでは
①最近のドローンの活用事例
②ドローンによる測量について
③ドローンと「働き方改革」の意外な関係
について語ってみたいと思います。

ドローンとは


まずはドローンについてです。

ドローンとはUAV(Unmanned Aerial Vehicle=無人航空機)のことなんですね。
英語表記はdroneです。

なぜドローンと言うようになったのかは諸説あるようですが、ハチの羽音説が有力なようです。

ハチがブーンという音をたてながら飛び回る姿がドローンのイメージとかぶるというような意味合いでしょうか。

ドローンが出始めた頃、総理官邸の屋上に落下したとか、ある少年が観光地で落下させてしまったとか、とかく物騒なオモチャのごとき評判でしたね。

このように個人の趣味としてもドローンは活用されています。

また、山間部や買い物難民と言われるお年寄りの住まいまで商品を届ける有効手段としても認知されるようになってきました。

岡山県の和気町でも山間部に商品を届ける社会実験が行われています。

その他、ドローンはインフラの維持管理にも活用されようとしています。

ソフトバンクは2019年度からドローンによる撮影画像から三次元モデルを生成しAI診断を行うことにより、携帯電話基地局や橋梁などの公共インフラの維持管理を提供するサービスを事業展開すると発表しました。

ドローン測量とは


このように様々な場面でドローンの活用法が検討されていますが、実は建設・土木分野では一歩進んだ活用がなされています。

ドローンを使って画期的な測量ができるのです。

そもそも測量というものをご存じでしょうか。

測量とは地形や地物をあるがままに計測することです。

今までは実際に現地で測量機械を使って平面測量を行ったり、道路の縦断測量や横断測量を行っていました。

よく街中でおじさんが機械を覗いている姿を見かけますね。

しかし、測量は一人ではできないのです。
機械を覗く人、ポールを持つ人、補助する人など少くとも3人程度のパーティーを組んで作業に当たります。

日にちも経費も掛かるのが実際の測量です。

ところがこれをドローンで行うと短期間でより精度の高いものが出来上がります。
期間が短いので人件費も縮小できます。

その測量方法は、まずドローンで空から写真を写したりレーザーを照射することによって地面の様子をデータとして取り込みます。

このデータを専用ソフトで加工して、図面や3Dモデルの作成に利用するという流れになります。

地上で測量するよりも早く、セスナで航空測量をするより安い費用でできるというのが大きなメリットのひとつです。

ドローンによって得られるデータを「三次元点群データ」と言います。

地球上のある点は全て座標を持っています。
X座標、Y座標で位置を表すことができます。

これに高さの情報が加われば空間での位置を表すことができます。
これをZ座標と言います。

ドローンに搭載した光学カメラやレーザー測距装置でこのXYZ軸で表される点をたくさん集めたもの、すなわち「点の群れ」が三次元点群と呼ばれるものです。

この点群データを専用ソフトで加工することにより、点から点の距離や複数の点で囲まれた空間に運ぶべき土の量などが算出できます。

また、ドローンで空から撮影した写真から「オルソ画像」というものができます。

これは複数枚の写真を組み合わせることにより傾きや歪みを補正して正確な位置と大きさに表示されるようにした画像です。

オルソ画像は写された像の形状が正しく、位置も正しく配置されているので、画像上で位置、面積及び距離などを正確に計測することができます。

このオルソ画像は地図データなどと重ね合わせて利用し、地理空間情報として活用されます。

話は最初に戻りますが、真備町の被災地で災害翌日にはある会社がドローンを飛ばしています。

これはいち早く被害の実態を掴むためです。

地上で人力によって従来通りの測量を行っていたのでは把握が遅れてしまいます。

ドローンで空撮することにより速く正確に実態を知ることができます。

また、河川が氾濫しまだ水が街中を覆い尽くしている状況では地上の測量は不可能であり危険でもあります。

そういった災害現場でもドローンは活用されるのですね。

ドローンと「働き方改革」の意外な関係


話はいきなり政策に飛びますが、今、政府は「働き方改革」を各方面に求めています。

サービス残業や過酷な労働条件を強いられている労働者により健全な働き方をしてもらおうというのが主旨ですね。

とくに建設や土木分野では昔から「きつい、汚い、危険」の3Kが定着していました。

そのため若い技術者が業界になかなか参入して来ず、どこの企業も労働者、技術者の高年齢化や人手不足が問題になってきていました。

そこで国土交通省は2016年度より本格的に「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を取り入れ建設現場の生産性向上に取り組んでいます。

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは
「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す取組」(国土交通省HPより)
です。

ITという略語は既に一般的ですが、これにコミュニケーション(communication)が加わったものがICTです。

現在では情報技術に「通信」がプラスされたICTが世界的にも広く使われているようです。

さて、ドローンと働き方改革の繋がりがなんとなく見えて来ましたね。

ここで整理してみましょう。

UAV(ドローン)で三次元測量を行う


三次元データを使って設計を行う


建設現場でICT土工を行う(無人建設機械による施工)


三次元データによる施工管理、出来形管理を行う

この流れの中で省力化、安全性の確保を図りながらあらゆる建設現場の場面で生産性を向上し、魅力ある職場にして行こうというのがi-Constructionです。

建設に関わる全ての職場で働き方改革を断行し、若い世代にも建設業界に入って来てもらいたいという意向が伝わって来るようです。